腰痛症

生のうちに約80%の人が一度は経験するといわれるほど腰痛に悩む人は多く存在します。腰痛は様々な原因でおこります。腰椎椎間ヘルニアや変形性脊椎症、腰部脊柱管狭窄症、脊椎分離症などは腰痛をおこす主な疾患ですが内蔵の病気が腰痛をひきおこすこともあります。また、以上のような明らかな原因がない、いわゆる腰痛症と呼ばれる急性あるいは慢性の腰の痛みがあります。これは腰部の機能低下によっておこる腰痛です。脊柱は7個の頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎と仙椎から成り立っています(図1)。そして仙椎は腸骨とよばれる骨盤の広い骨に連なっています。脊椎は真直ぐにたっているのではなく、横からみると前と後に曲がっています。腰部では前方にカーブしており、仙椎の上でうまくバランスがとられています(図2)

図1
図2


脊椎は多くの椎骨がブロック状に積み重なってできており、骨盤と仙骨から作られた船の上に立っているマストのような働きといえるでしょう。脊柱という体のマストをしっかり支えるのは、前方と後方にある腹筋と背筋の2つです。
また、体のマストの支えとなる骨盤のコントロールには、大殿筋、腸腰筋が重要です。腰痛症の多くは、骨盤が前傾し、バランスを直すため、腰椎の前わんが強くなったためにおこります。お腹が出たり、腹筋や大殿筋が弱くなると腰椎の前わんが強くなります(図3)。したがって、腰痛の予防には正しい姿勢を保つようにすることが大切です。

図3

[ 治療 ]

腰部、骨盤部が固くなっていると、脊柱のバランスが悪くなるため、腰部の柔軟性と筋の緊張をとるストレッチングを行います。
まず、あお向けの姿勢で両脚を手で支え、膝を胸につけるようにします。その後両手で太ももを支え、膝をゆっくり伸ばします。さらにあお向けの姿勢から片方の脚を反対側の脚の方に向け、体をねじるようにします。最後に横になり右手で右足首をつかみ、太ももを伸ばすようにします。いずれの運動も15~20秒間ゆっくり行います。

さらに腹筋と大殿筋の強化を行います。腹筋運動は膝を曲げたあお向けの姿勢から両手を膝につけるようにゆっくりと上体を起こします。
大殿筋の運動は、仰向けで膝を直角に曲げた位置からお尻を浮かせる運動を行います。いずれの運動も5回から始めて徐々にふやしていき、20回位できるようになれば充分でしょう。

文責:菅原 誠