腓骨筋腱脱臼

腓骨筋腱脱臼は、足関節が急激に背屈され、腓骨筋腱が収縮したとき腓骨筋支帯が足関節外果から剥離し腓骨筋腱が脱臼します。スキーでは前方に転倒したとき、ターンで急激に踏み込んだときに発生します。その他、急激に足関節が背屈されるような動作であればどんなスポーツでも発生します。最初、足関節捻挫として取り扱われていることが多く、陳旧例となり脱臼をくりかえすようになってから診断される場合があります。

[ 病態 ]

長・短腓骨筋腱は足関節外果後方でFibro-osseous tunnel内を通り、急激に方向を変え、第1中足骨と第5中足骨に付着しています。Fibro-osseous tunnelは表面が腓骨筋支帯、底面が踵腓靭帯によって形成されています。腓骨筋支帯は腓骨のFibrous-ridgeに付着し骨膜へと移行しています。腓骨筋支帯がfibrous-ridgeから離れ、骨膜と一緒に剥離しポーチを形成して腱の支持性が損なわれている場合がほとんどです。(画像1)

図1
画像1


[ 診断 ]

受傷直後であれば足関節外果後方に腫れと痛みがあります。
外がえしの強制により脱臼を誘発(画像2)するか、脱臼の不安感が認められると診断が確定します。
本症は足関節捻挫として見逃され、陳旧例となってから診断されることが多いため、足関節捻挫との鑑別には、常に本症を念頭におき、腫脹と圧痛部位が外果の後方にあることを確認することが大切です。

図2
図2


[ 治療 ]

ギプス固定による保存的治療と手術的治療があります。
受傷後早期であれば断裂した支帯の修復が容易に可能です。当院では診断が確定したならば、外果に骨孔を作製し支帯を縫着する手術的治療を推奨しています。手術後3週間ギプス固定を行い、その後足関節装具に変更し、スポーツ復帰は術後3ヶ月で可能です。

文責:菅原 誠