肩腱板断裂(いわゆる肩のスジが切れた状態)

肩腱板断裂は転倒して手をついたり、肩を強打したときに多く発生しますが、50才から60才代では自然に腱板が切れて肩が痛み出す場合があります。
腱板とは肩の関節を安定させる働きをもった4つ筋肉の総称です。
この筋肉の一部は肩関節の骨と骨の間にはさまれた所を通っていますので、使い過ぎによってすり切れることがあります。また老化によっても腱が弱くなり切れやすくなります。ですからケガなどのはっきりした原因がない場合でも、日常生活の中で腱板断裂がおこることがあります。
断裂した腱板(画像1)

画像1:断裂した腱板


[ 症状 ]

腱板が切れてしまうと肩をあげるときに痛みが出たり、ゴリゴリ音が出たりします。
進行すると肩があがらなくなり、夜中に痛みで目がさめるようになります。切れた腱のはじが、周囲とひっかかって炎症を起こして肩が痛み出します。また関節のバランスがくずれて、力が入らなくなるために腕があがらなくなります。

[ 診断 ]

ほとんどは診察によって診断がつきますが、レントゲンでは腱板自体が映らないため、正確な診断のためにはMRI検査が必要です。
断裂した腱板 MRI画像(画像2)

画像2:断裂した腱板 MRI画像
画像2:断裂した腱板 MRI画像


[ 治療方法 ]

腱板の断裂部が自然に治ることはありませんが、多くの場合リハビリなどの治療によって数ヶ月の外来通院で症状が軽くなります。
リハビリでは、肩の周囲の筋肉を訓練して、肩をあがりやすい状態にします。また腱の周りにすべりを良くするためのヒアルロン酸や、痛みや炎症をおさえるための局所麻酔剤やステロイドを注射することで症状を和らげます。

[ 手術療法 ]

これらの通院治療をおこなっても、肩のひっかかりによる痛みがとれない場合や、力が入らず肩があがらない場合には手術によって断裂部分を縫合します。
手術には通常の手術(直視下手術)と、内視鏡を使った(鏡視下手術)があります。
鏡視下手術の方が、体にかかる負担が少なく、手術後の痛みも少ないことから主流となっています。
手術後は装具を使って肩を4週間固定しますが、縫合部に負担がかからないリハビリは早期より行われます。
腱板の断裂部内視鏡画像(画像3)、縫合を終えた腱板視鏡画像(画像4)手術後3ヶ月の修復された腱板 MRI画像(画像5)

画像3:腱板の断裂部内視鏡画像 画像4:縫合を終えた腱板視鏡画像
画像3:腱板の断裂部内視鏡画像 画像4:縫合を終えた腱板視鏡画像

画像5:修復された腱板 MRI画像
画像5:修復された腱板 MRI画像


文責:高橋 輝一