代表的なスキー傷害③・・・足関節外傷

ソフトスキーブーツの時代に発生した足関節外傷は、転倒したときに足部が底屈あるいは背屈し、かつ内旋したときに発生した足関節捻挫が主でした。プラスチックブーツになってからは、足関節が背屈位で固定されている為、足部が底屈し内がえしとなる内反捻挫は起こらず、足関節捻挫として取り扱われるスキー特有の傷害があります。

1)足関節遠位脛腓靱帯損傷

足関節が背屈位で、かつ足部の外旋が強制されたときに発生します。この損傷は特に上級者や競技選手が競技中やポール練習中に内側のスキーをポールにひっかけたとき、発生しています。また転倒時、下腿が外旋したときにも発生します。足関節捻挫と異なり、腫脹がやや前方にあること、圧痛が前下脛腓靱帯(図14)に限局し、前距腓靱帯や踵腓靱帯には圧痛が認められないこと、足関節背屈位で足部の外旋を強制すると痛みが誘発されること、等で鑑別されます。

図14

2)外傷性腓骨筋腱脱臼

スキーで前方に転倒した際、またはターンのときに強く足関節を背屈したときに腓骨筋が収縮すると、腓骨筋支帯が付着している腓骨から骨膜と共に剥離して腓骨筋腱が脱臼します(図15)

図15

新鮮例では、受傷時に足関節痛と腱が脱臼したポップ音を自覚することがあります。症状は特徴的で、足関節外果後方に腫脹と圧痛が認められ、外がえしの強制により脱臼を誘発するか、脱臼の不安感が認められます。保存治療では対応が難しく、手術治療を勧めます。