代表的なスキー傷害①・・・母指捻挫(MP関節尺側側副靱帯損傷)

ストックを握ったまま転倒し、母指の外転が強制されたときに母指のMP関節尺側側副靱帯が損傷します(図4)。
物をつまんだり、にぎり動作で痛みが増強し、不安定性の程度をストレスXPで確認します(図5)。
不安定性が強い時は靭帯が腱膜の上に乗っていることがあり手術で靭帯を縫合しなければならないことがあります。

図4
 
図5

最近のスキー外傷の特徴は、足関節と下肢の骨折が減少した代わりに、膝関節捻挫が増加していることです。 スキーによる膝関節捻挫では内側側副靱帯(MCL)と前十字靱帯(ACL)の損傷が主で、ときに両者が合併します。MCL損傷はスキー傷害の中でも最も頻度の高い外傷ですが、幸いMCL損傷はスポーツ活動における機能障害が低く、治療も現在のところ保存的療法が選択されることがほとんどです。 一方ACL損傷は、下肢のスキー傷害の中で唯一増加している傷害です。ACL損傷膝では、膝伸展時に、下腿が前外側に亜脱臼する「膝くずれ現象」が発生し、この不安定性がスポーツ活動に最も支障をきたします。ACL損傷はI・ II度損傷よりもIII度損傷(完全断裂)が多いことも特徴です(図6)

図6