松田整形外科記念病院の医療への取り組み、スポーツ整形への取り組み、新しい技術を紹介します

肉離れと筋挫傷

[ 肉離れ ]

急に走ったり、全速で走ったときやジャンプなどの動作で、筋肉が強く収縮されるために、筋繊維の一部に損傷が生じたものです。種目では短距離に圧倒的に多く発生しています。その他跳躍、ハードルや中・長距離でも発生しています。
短距離走では、後半の加速をした時に発生することが多く、大腿2頭筋、半腱様筋、半膜様筋のハムストリングスに発生する場合がほとんどです(図)
中長距離では腓腹筋にもみられます。

図

( 1. 症状 )

発生直後から痛みのために歩行が困難となります。損傷を受けた筋の部位に圧痛があり、ハムストリングスの場合は膝の屈曲運動で抵抗を加えると痛みが増強します。またハムストリングスを伸ばすような動作をさせても痛みが強くなります。

( 2. 診断 )

発症機転、損傷筋の圧痛部位から損傷筋の診断をします。損傷程度や範囲、血腫の存在の判断には超音波検査やMRIが有用です。

( 3. 治療 )

受傷直後はアイシングと、伸縮包帯で圧迫を加え、損傷を最小限に押さえます。3-5日で痛みが軽くなってきた頃から、患部を暖めストレッチングを始め筋の拘縮を予防します。 さらに少しづつ抵抗を加えながら膝の屈伸動作の訓練をおこないます。膝の屈伸動作がスムースにできるようになったら歩行訓練から徐々にジョギングへ進め、さらに走スピードをアップしていきます。再発を繰り返すことがあり、慎重に対応する必要があります。

[ 筋挫傷 ]

サッカーやラグビーなどで相手プレーヤーと接触したり、蹴られた時や何かにぶつけた時に筋肉の損傷が起こり、筋の腫れや内出血が起こります。
症状:損傷筋部の痛み、腫れ、圧痛があり、太ももの前の筋(大腿4頭筋)であれば膝の屈曲が制限され、太ももの後ろの筋(ハムストリングス)であれば膝の伸展が制限、ふくらはぎの筋であれば足関節の背屈が制限されます。

( 4. 診断 )

肉離れと同様、発症機転、損傷筋の圧痛部位から損傷筋の診断をします。
損傷程度や範囲、血腫の存在の判断にはMRIが有用です(画像1-5)

画像1/症例1:16才、男 バスケットボール:相手の膝による打撲

画像1・症例1:16才、男 バスケットボール:相手の膝による打撲 中間広筋中間広筋に血腫


画像2・症例2:20才男 陸上(長距離):障害物と衝突  外側広筋に血腫

画像2・症例2:20才男 陸上(長距離):障害物と衝突  外側広筋に血腫


画像3・症例3:15才男、サッカー: 後方から蹴られて受傷 ヒラメ筋に血腫

画像3・症例3:15才男、サッカー: 後方から蹴られて受傷 ヒラメ筋に血腫


画像4・症例4:17才男、サッカー: 後方から蹴られて受傷 腓腹筋外側腓腹筋に血腫

画像4・症例4:17才男、サッカー: 後方から蹴られて受傷 腓腹筋外側腓腹筋に血腫


画像5・症例5:17才男、ラクビー タックルを受け、相手の肩による打撲 中間広筋に血腫

画像5・症例5:17才男、ラクビー タックルを受け、相手の肩による打撲 中間広筋に血腫

( 治療 )

受傷直後はアイシングと、伸縮包帯で圧迫を加え、損傷を最小限に押さえます。
3-5日で痛みが軽くなってきた頃から、患部を暖めストレッチングを始め筋の拘縮を予防します。
さらに少しづつ抵抗を加えながら膝の屈伸動作の訓練をおこないます。
2~3週間保存療法を試みてもなお損傷筋の腫れ、硬結、関節の可動域の改善が認められない時は、手術で筋肉内の血腫を除去することもあります。当院で行なった手術後の経過は良好でランニングは3週で、膝の屈曲も2週以内で改善が認められています(画像6,7)
膝の屈伸動作がスムースにできるようになったら歩行訓練から徐々にジョギングへ進め、さらに走スピードをアップしていきます。再発を繰り返すことがあり、慎重に対応する必要があります。

画像6:術後経過

画像6:術後経過

画像7:大腿四頭筋損傷例 5例

画像7:大腿四頭筋損傷例 5例

文責:菅原 誠