松田整形外科記念病院の医療への取り組み、スポーツ整形への取り組み、新しい技術を紹介します

スポーツ外傷

コラム:女性とスポーツによる外傷・障害

女性の形態的・生理的特徴を基盤に、発生頻度の高い外傷が存在します。平成11年度に発生した外傷発生例数は合計99,958例でした。女性の発生例は44,878例、男性の発生数は55,080例でした。女性全体の発生率は1.21%であり、男性の1.00%より高率です。年令別でみると、女性では31-40歳が2.1%、41-50歳が1.83%と中年層で最も高率で発生していました。男性では11-15歳が1.74%、21-30歳が1.24%と若年層での発生率が高率でした(図5)。 中年層で傷害の発生率が高かった理由として、この年代層ではママさんバレーや地域スポーツクラブの活動での発生率が高いことが影響していることが推測されます。外傷の種類別発生は、女性と男性とでは様相が異なる。女性では脱臼、捻挫、靭帯損傷、半月板損傷で占められる関節の外傷が51.4%と半数を占めているのが特徴でした(図6)。

図5.男女年齢別発生率

図5.男女年齢別発生率

図6.女性の外傷種類

図6.女性の外傷種類

捻挫、靭帯損傷の中で、特に膝前十字靱帯損傷は4〜6倍女性に多く発生しています。ジャンプの着地、急な方向転換など、相手プレーヤーとの接触をせずに受傷する非接触型損傷が大多数です。
バスケットボール、バレーボールやハンドボールなど減速動作の多いスポーツで頻発しています。女性に発生頻度が高い原因として、解剖学的な特徴(顆間窩の狭小、靱帯の体積が小さい、下肢のアライメント-外反膝、回内足)、ホルモンの影響(卵胞期に多い)、関節の弛緩生、筋活動の問題(ジャンプ着地やカッティング動作でハムストリングスに比べ四頭筋が優位に活動)、体幹の支持性低下、トレーニングやスポーツ活動動作(ジャンプの着地動作で膝外反モーメントが大きい)の問題などが指摘されています。 捻挫、靭帯損傷の中で、特に膝前十字靱帯損傷は4〜6倍女性に多く発生しています。ジャンプの着地、急な方向転換など、相手プレーヤーとの接触をせずに受傷する非接触型損傷が大多数です。

膝蓋骨脱臼、亜脱臼も思春期女性に多く発生しています(図7)。バスケットボール、体操などのスポーツに多い。ジャンプ着地やサイドステップなどの動作で、膝外反、下腿外旋位をとった瞬間に脱臼がおこります。外反膝(Qアングルの増大)、大腿四頭筋、とくに内側広筋の発育不全、大腿骨滑車部の形成不全、膝蓋骨内側関節面の形成不全、全身性の関節弛緩など内因性要素が発症に大きく関与しています。

図7.反復性膝蓋骨脱臼

図7.反復性膝蓋骨脱臼