松田整形外科記念病院の医療への取り組み、スポーツ整形への取り組み、新しい技術を紹介します

スポーツは健康となるための手段

コラム:スポーツとからだ

平成14年の厚生省の調査によると、約68%のひとが健康に不安をもっており、いま多くのひとが健康について関心をよせています。
「健康によい—薬、療法、食品、器具」など、連日新聞、雑誌、テレビなどのメディアで健康関連の話題が盛んに取り上げられています。
このような食品を食べたり、器具を購入するだけで健康になれた気がするようですが、はたして本当にそれだけで健康になれるのでしょうか。
やせ薬や糖尿病の薬で死者がでたり、健康食品で皮膚障害や中毒症状などの健康危害が報告されており、自然のものだから、漢方だから安全というわけではありません。そもそも簡単には健康を手に入れることはできないのですから。

FDA(米国食品医薬品局)は、虚偽の効能を標ぼした医薬品、化粧品やブームに便乗した意味のない食品や不必要な補助食品、偽物医療器具など、決しておこりえない奇跡に対してお金を払う「いんちき療法(Quackery)」に対し警鐘をならしています。「このようなものを売る人の目的は、あなたの健康を守ったり、回復させたりするのではなく、あなたのお金をまきあげることなのです」と。その見分け方として、「うますぎる話しは、おそらく真実でないことを忘れないこと」と解説しています。

氾濫する健康情報の見分け方として、東北大学の坪野吉孝先生(公衆衛生学)は、「ヒトを対象とした具体的な研究に基づき、医学専門誌に掲載されたものかどうか」、を吟味することをあげています。多くの情報はこのような具体的な研究に基づくものではなく、「健康食品や薬を飲んで、何人かで効果があった」というものです。何人を対象に何人に効果があったのか分かりません。またメーカーが発表した情報がほとんどであり、このような情報はうのみにしないで、「ほんとかな」と一歩引いて調べてみることが大切です。

またスポーツが健康によいからといって、スポーツをしなければならないと思い込むのも危険です。ランニングが健康に良いということでジョギングを始めたAさんは膝を痛めてしまい、かえって運動を控えなければならないはめになってしまいました。あくまで個人個人の状態に適した運動、スポーツがなされるべきで、一夜漬けでは効果がありません。

健康は「前向きに元気に生きること」であり、それ自体が目的ではなく、自分自身を豊かにするための手段です。そのためには、自分自身のからだとつきあい、むきあう姿勢が大切です。貝原益軒も「気を滞らせないため、身をうごかす」と説いているように、からだを積極的に動かす運動、スポーツは健康となるための手段としてもっとも有効です。