松田整形外科記念病院の医療への取り組み、スポーツ整形への取り組み、新しい技術を紹介します

健康とは

コラム:スポーツとからだ

ふだんの生活の中で、病気やけがでもしないかぎりあらためて健康のことを考える機会はあまりありません。広辞苑には「健康とは、身体に悪いところがなく心身がすこやかなこと」と記載されています。体が不自由なひと、病気がちな高齢者など、体のどこか悪いところがあるひとは健康ではない、ということになりますがはたしてそうでしょうか。

知的発達障害をもつひとの大会であるスペシャルオリンピックス参加選手の、くったくのない笑顔、障害者のスポーツ大会であるパラリンピック参加選手のさわやかな笑顔をみると、全力をつくして戦った満足感がひしひしと伝わり、むしろとても健康的で感動さえ覚えます。

身体能力に優れたオリンピック選手のなかにも、けがや故障を克服して代表をかちえた選手がいる一方、ドーピングにより肉体改造してまでメダルを獲得する選手がきっと出てくると思いますが、そのような選手は決して健康的にはみえません。

WHO(世界保険機構)が「健康とは何ごとに対しても前向きの姿勢で取り組めるような、精神および肉体さらに社会的に適応している状態」としているように、多少病気や故障、障害があっても自分なりに前向きに元気に生きていける状態であれば「健康」といえるのではないでしょうか。

江戸時代の高名な学者であった貝原益軒は、「養生訓」というロングセラーを書き今日まで読み継がれていますが、「気」という「からだの中の目にみえないものに目を据える」考え方を根底にしています。心身の健康のためには「身をうごかし、気をめぐらし、気を滞らせてはならない」、生を養う道は「元気を保つこと」と、説いています。その気は全身をめぐっていて、病気もめぐっている。この気のめぐりが滞ると病気がおこり、元気になると病気がなおる。すなわち、自分のからだを常によい状態に保つよう自分自身がからだのことを知り、自分のからだと対話を続けることが大切です。

医学が発達しているにもかかわらず、超高齢者社会を目前に健康への不安がつのって情報が氾濫している現代こそ、もう一度益軒の思想である「老いて楽しみを増す人生」の生き方と健康への姿勢が求められていると思います。