松田整形外科記念病院の医療への取り組み、スポーツ整形への取り組み、新しい技術を紹介します

関節をなめらかに

コラム:スポーツとからだ

膝が痛むと思うように歩けなくなります。肩が痛いと腕があがらず手を自由に使うことができません。腰が痛いとからだを使うことが不自由になります。このように関節が痛むと活動が制限されてくるように、からだの動きにとって関節は大切な役割を果たしています。

関節軟骨は硝子軟骨とよばれなめらかでつるつるした柔らかい組織です。浅いところから深いところまで、実に巧妙にできています。軟骨には血管や神経はなく、軟骨の細胞と細胞外成分の軟骨基質からつくられています。細胞は非常に少なく、ほとんどが軟骨基質でコラーゲンとプロテオグリカンと水からできています。主なものは水で70~80%を占めています。軟骨が柔らかく弾力性に富んでいるのはこのためです。プロテオグリカンは蛋白とムコ多糖の結合したもので、軟骨のムコ多糖はコンドロイチン硫酸とケラタン硫酸です。
軟骨の加齢変化として表面が白色から黄色に変わり滑らかさがなくなってきます。軟骨の機能も低下しますが軟骨基質はコンドロイチン硫酸が減少してきます。

最近、よく変形性関節症にたいして、軟骨基質の成分であるコラーゲンやコンドロイチン硫酸、グルコサミンがよく効くと宣伝されていますが、ほんとうに効果があるのでしょうか。確かにコンドロイチン硫酸、グルコサミンを飲んで膝の痛みが軽くなった方はいるようです。しかし加齢により傷んだ軟骨も良くなったということは今のところ証明されてはいません。軽い鎮痛剤でも痛みが改善されますし、からだを支える太ももの筋を強化することでも痛みを減らすことが認められています。

膝関節の軟骨がすっかり傷んでしまったBさんですが、太ももの筋力強化と膝の曲げ伸ばしの訓練で痛みが軽くなって買い物もできるようになりました。

変形性膝関節症では、動きがわるくなり、とくに膝がすこし曲がって伸びなくなったり、正座ができなくなったりします。さらに膝の内側がすいてきて、いわゆるO脚に変形することが多くあります。膝のスムースな動きを確保するため、膝をしっかり伸ばしたり、曲げる練習として短時間の正座も効果があります。昔から、正座は「膝にわるい」と言い伝えられてきましたが、長時間の正座は膝に負担がかかりよくありませんが、短時間で訓練としておこなう正座であれば問題はありません。むしろ膝の動く範囲を広く保つことが大切です。