松田整形外科記念病院の医療への取り組み、スポーツ整形への取り組み、新しい技術を紹介します

加齢とからだの働き

コラム:スポーツとからだ

年をとると皮膚のしわが増えたり、髪の毛が白くなったり、近くの物がみえにくくなったりします。このような目に見える加齢の変化のほかに、目に見えないからだの変化が全身に起こっており、加齢とともに身体の機能が低下してくるのが自然の摂理です。病は痛みや苦しみで自覚できますが、老いはなかなか自覚できないことがあります。からだの機能の低下は、すべての器官で一様に低下するのではありません。「老化は脚から」と言われていますが、脚の老化を自覚するのはふらついたり、つまずいたりすることから始まることが多い様です。体力テストの結果をみても、平衡感覚の低下が加齢とともに一番強くおこり、次に瞬発力、柔軟性が低下しますが、スタミナや筋力は比較的保たれています。

加齢による自然現象は避けられませんが、からだの機能低下を遅らせることは可能です。「動物」は生きているあいだ絶えず動いています。ひとも動物の仲間であり、生きていくためにはからだを動かす仕組みになっています。文明を手にしたひとの宿命でからだを動かす機会が少なくなり、意識をしないとからだを動かすことができなくなっています。

スポーツを続けている中高齢者の体力は高いレベルに保たれています。文部省体力テストをみると、運動習慣の多いほど同年齢で体力レベルが高く、運動を頻回に行なっている人は、全く行なっていない人の体力レベルにくらべ5~10才ぐらい若い体力を保っています。マスターズ陸上5000mの日本記録をみても、男性の50代で15分49秒、60代で16分52秒、70代で19分01秒、80代で23分10秒と年齢とともに記録はさがるものの、中高齢でもふつうの若者には負けないスピードで走っています。冒険家の三浦雄一郎さんのお父さんである三浦敬三先生は102才で亡くなられる直前までスキーを楽しんでいました。また札幌陸上競技連盟顧問の天近さんは、90才になるまでロードレースに元気で参加しておられました。からだの機能低下はからだの器官によって低下の度合いが違うように、年齢とともに徐々に低下するのではなく、スタミナの低下や技術の低下を自覚した時や、病気やけが、故障をきっかけに急にからだの機能が低下することを自覚するようです。このような時こそ再度からだをきたえるチャンスでもあります。

年をとることによりそれぞれの好ましい健康の水準がかわります。若いころの健康を標準にするきらいがありますので、あくまで現実のからだの状態にあわせてスポーツをするよう心がけてして下さい。